修理事例のご紹介

ロレックス 3番車オーバーホールゼンマイ裏蓋パッキン

ロレックス サブマリーナ /リューズが固い・重い(神奈川県相模原市のお客様)

神奈川県相模原市のお客様より、時計修理の匠工房に、ロレックス サブマリーナの修理依頼がございました。

中古で購入したロレックスですが、リューズを回すと固いような、重いような感じがする。
定期メンテナンスを含めて、お見積りお願いします。
とのことでお申し込みを頂きました。

※到着時のお写真を使用しております。

時計の状態

サブマリーナの到着時、リューズが飛び出た状態でしたので、ロック不良の状態かと思われましたが、ロック(ねじ込み)は問題なくできており、リューズ本体の交換は不要な状態でした。

ただ、リューズで巻き上げを行う際はスムーズではなく、重みを感じる状態でした。

サブマリーナのリューズ(クラウンとも言います)はトリプロック構造になっており、リューズ部分からの湿気・水・ゴミなどの侵入を防いでいます。

トリプロック構造のサブマリーナのリューズには、王冠のマークの下に3つのドットが配置されています。これがトリプロックを表しています。

気密性を高めるためにゴム製パッキン×3を、リューズ側に2つ、チューブ(受側)に1つ備え、ねじ込む際の圧で、リューズ部の気密性を高める仕組みです。

そして、リューズの上下に突き出したリューズガードにより、リューズ自体を衝撃などから保護しています。


今回は、自動巻き部の油が劣化しておりましたので、リューズでの巻き上げの際に固く/重く、巻き上げにくい感触があったのかと思われます。

オーバーホール(分解・洗浄・注油・組み上げ)の作業と、摩耗した部品を交換致し、納品前のサブマリーナのリューズの巻き上げは、到着時とは全く違うスムーズな状態に改善しておりました。


内部の油が劣化/乾いた状態で使用を継続しますと、部品や歯車にも負担がかかることになるので、時計にとっては良くない状態です。

ロレックスの部品は丈夫なのでなかなか壊れにくく、油が劣化した状態でもある程度動いてしまうので、動かなくなりオーバーホールに出される頃には、複数の部品が摩耗している状態のお客様も多々いらっしゃいます。

リューズの巻き上げが固い、重い、回らないなどの場合、無理やり力を入れて操作するとリューズの真が折れてしまう場合もあるため、その場合は無理に回さず、時計修理店へのご相談をお勧めいたします。

修理完了後、納品前のお写真です。

この度は当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。

また何かございましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、ゼンマイ、3番車

修理料金:4万円台前半(税抜)※修理当時の価格