タグホイヤーが遅れる原因は?対処法と修理事例などを解説
「愛用のタグホイヤーを使っていたら遅れが発生する」
「新品で購入したのに遅れるのはなぜ?」
この記事ではこういったお悩みにお答えします。
タグホイヤーは、ロレックスやオメガと並び、日本でも非常に人気が高く、カレラやリンク、アクアレーサー、モナコなどの代表モデルがあります。高精度で優れたコストパフォーマンスで知られるタグホイヤーですが、そんな時計でも使っているうちに遅れが発生することがあります。
この記事では、タグホイヤーの遅れの原因と、対処法や修理事例を紹介します。
タグホイヤーが遅れる原因5つ
タグホイヤーが遅れる原因は大きく5つあります。
≫原因1:巻き上げ不足
1つ目は、巻き上げ不足です。自動巻時計の巻き上げが足りない場合に遅れが発生することがあります。時計が遅れると故障であると考えてしまうことが多いですが、実は故障ではない場合も多くあります。
その筆頭が巻き上げ不足であり、一日の着用時間が短かったり久しぶりの着用できちんと巻き上げされていなかったりすると遅れることがあります。
自動巻時計の仕組みは、腕の動きによって内部のローターが回り、その力で時計の動力であるゼンマイが巻き上がることで動きます。そのため腕の動きが少ないと着用していてもゼンマイが巻き上がらないことがあります。そういった場合は、リューズを手動で30~50回程度回してゼンマイを巻き上げると良いでしょう。
≫原因2:機械式時計の精度の範囲内
2つ目は、機械式時計の精度の範囲内です。機械式時計は、クォーツ時計や電子時計と違い、必ずしも正確な時刻を刻めるわけではありません。数々の部品が組み合わさったものなので、温度や湿度、使用状況によって微妙に精度が変化します。
そのため、時計が遅れていても機械式時計の精度の範囲内であることがあります。しかしそれでも1日に10分も遅れてしまうような場合は、ムーブメントの故障が考えられます。
機械式時計の精度の許容範囲は1日数秒~30秒前後であると言われています。しかしこれは現行モデルの時計でありヴィンテージ時計であれば1日60秒~180秒までは許容範囲とも言われています。
また手持ちの時計の精度を知りたい場合は、1週間程度のズレを記録し、その平均値で判断するようにしましょう。前述のように時計は使用状況によって日々精度が少しずつ変わっているため、1日のみでは判断できません。
≫原因3:油切れ
3つ目の原因は、内部ムーブメントに不良や故障が発生していることです。機械式時計の場合、部品同士の摩耗を防ぐために油が塗布されています。しかし長期間メンテナンスをしていないと、油が経年劣化により乾いたり変質したりしてしまい、部品の動きを制御してしまうことがあります。
油は通常、3~5年に一度塗り直す必要があります。しばらくオーバーホールをしていないという方は、油のトラブルが考えられます。
≫原因4:ヒゲゼンマイのトラブル
ヒゲゼンマイは時計の精度をつかさどるもっとも重要な部品の一つです。機械式時計の心臓部分とも言われており、同時に非常に繊細な部品でもあります。
その精密さは、螺旋状になった金属帯の厚さがわずか0.001ミリ狂うだけで、精度にも影響を及ぼしてしまいます。
落下やぶつけるといった衝撃をうけ、ヒゲゼンマイが歪んでしまうと、心臓部分にあたるテンプの振れを一定に保つことができず、精度が狂う原因となります。この場合、ゼンマイの調整や交換する必要があります。
≫原因5:磁気帯び
5つ目は磁気帯びです。磁気帯びとは、強い磁気を発生する製品に時計を近づけてしまった際に、その磁気が時計内部の部品に移ってしまう現象を指します。機械式時計に多く見られますが、クォーツ時計でも発生します。
磁気は目に見えないため、気づかない間に時計が帯磁してしまっていることも多々あります。スマートフォンやパソコン、カバンのマグネット式留め具など、身近なところに強い磁気を発生している製品があるため、日頃からこういった製品に時計を近づけないように気をつけましょう。
帯磁してしまった場合、専用の機械で時計の磁気を抜く必要があります。一般向けの磁気抜き器も販売していますが、知識がないまま使うと反対に磁気を強めることになってしまうため、専門店に依頼しましょう。
タグホイヤーのメンテナンス方法
タグホイヤーの遅れの原因を解説しました。ここではタグホイヤーの遅れが発生した場合の具体的な対処法である修理方法について紹介します。
≫正規メーカーに依頼
1つ目は、正規メーカーに依頼する方法です。正規メーカーへの修理は、近くの正規販売店や提携している時計工房に依頼することで対応してもらえます。正規メーカーの良いところは、安心して依頼できる点と純正部品を使用している点です。
しかしその反面、費用が高額でオーバーホールや修理に時間がかかります。費用を抑えたい、または早く修理を済ませたいという方は、他の修理方法がおすすめです。
≫民間の時計修理店に依頼
2つ目は、民間の時計修理店に依頼する方法です。民間の時計修理店は、時計修理やオーバーホールを専門に行なっており、小規模なものから全国展開のものまで、規模はさまざまです。
正規メーカーよりも料金が安く30~50%近く抑えることができます。また期間も1ヶ月程度で完了するため、急ぎで修理をしたい方におすすめです。
注意点を上げるとすれば、さまざまな店舗があるため技術力や接客の品質に差があります。格安で時計修理を受け付けている店舗のなかには、きちんとした技術の資格を持っていない担当者が修理を行うところもあります。そういった店舗では、最悪の場合時計の状態が前よりも悪化してしまうこともあります。そのため
を確認して依頼するようにしましょう。
タグホイヤーの遅れを発生させないための注意点
タグホイヤーのトラブルを未然に防ぐための注意点を3つ紹介します。
≫1日8時間以上着用する
1つ目は、1日8時間以上着用することです。タグホイヤーが遅れてしまう原因の1つ目にもあるように、巻き上げ不足による遅れの発生も考えられます。そのため、自動巻時計であればできるだけ毎日時計を着用し、ローターを動かすことが重要です。
※8時間以上着用していてもデスクワークなど腕の動きが少ない場合は、十分な巻き上げが出来ず、持続時間が短いなどの原因になる場合もございます。
もし時計を着用するタイミングが少ない場合は、ワインディングマシーンを使うことで、自動巻時計を巻き上げることができます。またクォーツ時計は、電池切れのまま長期間放置すると、液漏れが発生し時計内部の回路が壊れてしまいます。そのため何年もつけていないクォーツ時計がある場合は、電池を抜いて保管することをおすすめします。
≫スマホやパソコンに近づけない
2つ目は、スマートフォンやパソコンなど、強い磁気を発生させる製品に時計を近づけないことです。スマホやパソコン以外にも電子レンジや冷蔵庫、充電器など、身近なところに磁気を発生させる製品はたくさんあるため、気をつけましょう。
≫カレンダー操作の時間に気をつける
3つ目はカレンダー操作の時間です。機械式時計の場合、カレンダーを操作してはいけない時間帯があります。それは午後8時から午前4時の間です。この時間帯は12時の日付が変わるのに向けて、カレンダー板の歯車と時間表示の歯車が噛み合っています。そのためこの時間帯にカレンダーをいじると、日送り車という日付表示の部品を破損することにつながってしまいます。
そのためカレンダー操作をする際は、上記の時間を避けて行うようにしましょう。また、日付の先送りであれば時計の針を進めることで日付を変えるのもおすすめです。
タグホイヤーの遅れによる修理は匠工房にお任せください
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