オメガのお手入れ方法・メンテナンスの種類
オメガの手入れには、大きく2種類あります。
≫普段からのお手入れ
1つ目は、普段からのお手入れです。当然ですが日々オメガの時計を着けていると、汚れや皮脂汚れがついてしまうため、こまめに汚れを落とす必要があります。
汚れを落とさずに放置してしまうと、サビや腐食につながってしまいます。
オメガは主に、錆びにくいステンレス素材を使っていますが、長年汚れが積み重なると落ちづらくなりますので、汚れを落とす習慣を身につけておきましょう。
≫定期的なオーバーホール
2つ目の手入れは、専門店による定期的なオーバーホールを受けることです。オーバーホールとは、時計内部の機械を分解し点検洗浄することを指します。
オメガの時計は、100以上の小さな部品によって成り立っています。部品に少しでも不具合があると、連結している他の部品にまで影響が及びんでしまうため、定期的に部品や内部に不具合が生じていないか点検をする必要があります。
また、裏蓋やリューズ部分の防水機能を果たしているパッキンもオーバーホールで点検し、必要であれば交換します。オーバーホールをしないと、パッキンが劣化して時計内部に水が入ってしまう可能性があるからです。
車と同じように時計も、外観に違和感はなく通常通り使えていても内部の点検が必要です。
オメガの普段のお手入れ方法
オメガの普段のお手入れ方法は、どの程度行えばよいのでしょうか。ここではオメガを長く使っていくために必要な、普段のお手入れ方法を紹介します。
≫汚れを拭き取る
もっとも簡単で手軽にできるのが、布で汚れを拭き取る方法です。これは毎日、時計を外すときに習慣づけると良いでしょう。やり方は、セーム革やマイクロファイバーなど柔らかい生地で、ガラスやケース、ベルト部分について汚れを優しく拭き取ります。特に裏蓋部分やベルト部分は肌に直接触れるため皮脂汚れが溜まりやすい部分なので、こまめに拭くようにしましょう。
また「タオルで拭いても大丈ですか?」というお問い合わせもよくいただきますが、市販のタオルの場合、ステンレスが曇ってしまうこともあるため時計が傷つきにくい布地を選びましょう。
同じ理由で、シルバー素材の磨きクロスも一見ピカピカになるように見えますが、実際は時計の表面を削ってしまっているため、おすすめできません。仕上げや磨き加工は専門技術がないと、ケースの形が変わったり傷がついてしまったりしまうため自己判断で使うのは、やめたほうが良いでしょう。
≫金属ベルトの隙間の汚れを取る
柔らかい布で汚れを拭き取っても、ベルトやリューズの隙間などには汚れが溜まりやすいです。特に金属製のベルトは、小さな一つ一つのコマの隙間に皮脂汚れが溜まりやすく放置するとサビにつながってしまうため、注意が必要です。
ベルトの隙間といった細かい部分には、爪楊枝や歯ブラシを使って汚れを落とすのがおすすめです。
毛先の柔らかい歯ブラシや爪楊枝を、汚れを落としたい部分に当てて汚れをかきだすことで、皮脂や埃などの細かな汚れを落とすことができます。このときの注意点は、力を入れてこすらないことです。オメガのような丈夫な時計でも、力を入れてこすると傷になってしまいます。
≫革ベルトのお手入れ方法
ベルトが革製の場合、固く絞ったタオルで汗や水滴などを拭き取ります。靴やカバンと同じように革製品は使い続けると消耗が早くなってしまいます。とくに夏場は汗がつきやすいため、夏は金属製ベルト、冬は革ベルトといったように使い分けると革ベルトを長持ちさせることができます。
自宅のお手入れでやってはいけないこと
オメガの時計を長く愛用し続けるには、セルフメンテナンスが必須です。しかし間違ったメンテナンスを行うと時計の寿命を縮めてしまうこともあります。ここでは自宅のお手入れで、やってはいけないことを紹介します。
≫自分でケースを開けて時計を分解する
時計の隙間に汚れが溜まっているからといって、自分で時計のケースを外して分解するのはとても危険な行為です。
時計内部の機械は100以上の小さな部品から成り立っている精密な機械です。自分でケースをあけると時計内部に塵や埃が入り機械に異常が発生する可能性があります。また時計の機械の分解は専門技術がいるため、ケースを開けたからといって、素人に何かができるわけではありません。下手に機械をいじると元に戻せなくなり故障につながってしまうため、絶対にやめてください。
時計の動作に異常を感じた場合は、無理に自分で対処せずに時計修理店に持ち込んで、プロに点検してもらうのがおすすめです。
≫自分で研磨剤を使って傷を消す
時計を長年使っていると、どうしてもケースに傷がついてしまいます。しかしそういった傷を消すために、市販の研磨剤や磨き粉を使って自分で消そうとすることはおすすめできません。
なぜなら時計の研磨には、高い技術が必要だからです。時計の研磨とは、時計の表面を削るということです。そのため研磨の技術がないと、ケースの形が崩れてしまったり傷が目立ってしまったりといったことにもつながってしまいます。
また時計の素材のなかには、研磨に向いていないものもなかにはあります。時計の研磨は自分で行わず、時計修理店に依頼するのが良いです。
≫お湯で洗う
オメガの防水時計は高い防水性能を持っているため、水洗いが可能です。しかしお湯で洗うのは、おすすめできません。なぜならオメガの防水機能を担っているリューズや裏蓋、ガラス部分にあるゴム製のパッキンが弱ってしまうからです。
また、シャワーや蛇口から出る水を直接当てると、水圧が強すぎて内部に浸水してしまうリスクがあります。そのためオメガを水洗いする際は、リューズをしっかりとしめ、真水を貯めた洗面器で優しく洗うようにしましょう。
洗ったあとは、タオルで水気をしっかりと拭き取り、直射日光の当たらない場所で1日ほど完全に水気がなくなるまで乾かしましょう。
定期的なオーバーホール
オメガをはじめとした、機械式時計は定期的なオーバーホールが必要です。オーバーホールとは、時計の内部を分解し点検・洗浄し組み立てを行うことを指します。
オメガの機械式時計の内部は、100以上の小さなパーツから成り立っています。そのため各部位に不具合が起きていないかを定期的に点検する必要があります。また各パーツの一部には、油が塗布されています。これは常に触れ合っているパーツ同士が摩耗するのを防ぐために塗布されています。しかし時間が立つとこの油が乾いてしまい、そのまま放置すると、パーツが摩耗し破損につながってしまいます。
そのため定期的なオーバーホールを受け、油が乾いていないか各パーツの状態を点検してもらう必要があります。
≫オーバーホールはメーカー、時計修理店どちらに出すべきか
オーバーホールを受けるには、大きく正規店であるメーカーか、時計修理を専門とする時計修理店のどちらかに依頼する方法があります。
メーカーに依頼するメリットは、安心感がある点です。メーカー専属の技術者が対応するため、高い技術力が保証されます。しかしその分金額が高く、オーバーホールの期間も2~3ヶ月と長くなります。
時計修理店では、メーカーよりも金額が安く、オーバーホールの期間も短く1~2ヶ月ほどで帰ってきます。店舗によっては、交換パーツが純正でないところもあるため、事前に確認が必要です。時計修理店でも、時計修理の国家資格である時計修理技能士を持った技術者が対応するため、一定の技術力が保証されています。
≫オメガのオーバーホールの推奨頻度
オメガは通常の機械式時計よりもオーバーホールの期間が長いコーアクシャル機構を開発しています。
※誠に恐れ入りますが、当店では コーアクシャル 機種は基本的にお受けしておりません。(部品手配が困難な為)
この機構は、通常の機械式時計のオーバーホールを受ける期間は3~5年に一度ですが、コーアクシャル機構を搭載した時計は、8~10年に一度で良いというものです。
しかしコーアクシャル機構が搭載されている時計は、近年に発売したものであり、以前に発売した時計は搭載していないため、自分が持っている時計の機構がコーアクシャル機構かを確認しておく必要があります。
コーアクシャル機構を搭載していない場合は、3~5年に一度オーバーホールを受けるようにしましょう。電池式のクォーツ時計は4年に一度が推奨されています。電池が切れていなくても、液漏れや電子回路の点検が必要なため、クォーツ時計もメンテナンスを怠らず、定期的なオーバーホールを受けるようにしましょう。
オメガの使用時に気をつけること
オメガの手入れはもちろん、日常使いで時計が壊れやすいポイントがあります。ここではオメガを普段、使用する際に気をつけたいことを紹介します。
≫磁気に近づけない
1つ目は、オメガを磁気に近づけない点です。
時計内部の機械は金属でできているため、磁気に弱く強い磁気にさらされると精度が狂ったり止まってしまったりします。これは磁気帯びといって、この状態からもとに戻すには、専門の機械で磁気を抜くしか方法がありません。
私たちの生活のなかには、磁気を発しているものが意外と多くあります。例えばスマートフォンやパソコン、冷蔵庫、電子レンジ、磁石のカバンの留め具などです。とくにノートパソコンの上に時計を乗せたり、スマートフォンと時計を一緒にポケットに入れたりして、磁気を帯びてしまうこともあります。
磁気が強い環境で時計を着けなければいけない場合、オメガのなかでも最高の対磁性能を誇るマスタークロノメーター認定がされた時計を選ぶと良いでしょう。この認定がついた時計であれば、15,000ガウス以上の磁気にも耐えられます。これはとくに磁力が強いと言われているMRIにも耐えられるほどの対磁性能です。
≫水が入らないようにする
2つ目は水が入らないようにすることです。
日常使いであれば、水が時計内部に入ることはないと感じるかもしれません。しかし認識を誤ると、防水時計であっても水が内部に入ってしまいます。水が入ってしまう理由は、リューズがしっかり締め込まれていない点と、シャワーや蛇口の水を直接当てると、水圧が強すぎて水没してしまう可能性があるため真水を貯めた洗面器で優しく洗うようにしましょう。
当然ですが、非防水の時計は絶対に水をつけず万が一水がついてしまった場合は、乾いた布で水気を拭き取るようにしましょう。
まとめ
オメガの普段の手入れについて紹介しました。オメガの手入れは、普段からの手入れと数年に一度の専門店によるオーバーホールが必要です。
普段のお手入れは、柔らかい布で皮脂汚れや埃などを落とすようにしましょう。ベルトやリューズの隙間などの細かい部分の汚れには、歯ブラシや爪楊枝がおすすめです。また普段の使用時は、磁気や水に気をつけて使うようにしましょう。
また時計も車検と同じく、定期的なメンテナンスが必要です。オーバーホールは内部の機械を分解し点検・洗浄するメンテナンスで、3~5年に一度専門店で受けることをおすすめします。
愛用のオメガを長年使い続けられるように、普段からのお手入れはもちろん、プロによるメンテナンスを怠らないようしましょう。