タグホイヤー
タグ・ホイヤー機械式の時計が進むのって故障?原因と対処法を解説
タグ・ホイヤーの機械式時計で「時間が進んでしまう」というご相談もよくいただきます。また機械式時計には、精度にブレがありますが「どの程度の進みであれば故障ではないのか?」というお問い合わせもいただきます。
そこで今回は、タグ・ホイヤー機械式時計の進みの原因や対処法、精度の許容範囲や費用について解説したいと思います。
タグ・ホイヤーの機械式時計が進むときに考えられること
タグ・ホイヤーが進むという際に考えられることは、次の2つです。
機械式時計の日差の範囲内の進み
「気づくとタグ・ホイヤーが進んでしまっている。故障なので直してほしい」というお問い合わせをいただくことがあります。実際に故障していることも多いですが、話しを聞くと、なかには特に問題がない場合もあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
実は精度は必ずしも正確とは限りません。タグ・ホイヤーの機械式時計は、100以上の小さな部品、歯車が組み合わさって動く仕組みの時計です。そのため時計の向きや動かし方、気温や湿度などによって少しずつ精度が変わります。このように、時計が一日にどのくらい進みや遅れがあるかを表す精度を、日差と言います。
そのため「タグ・ホイヤーが進んでいる」と感じても、実際には機械式時計の日差の許容範囲であることもあります。
タグ・ホイヤーに何らかの異常が発生している
わずかな誤差であれば機械式時計の日差の範囲であると考えられますが、大幅な進みや時刻のズレの場合、内部に何らかの異常が発生していると考えられます。
部品の異常や故障はもちろん、磁気の影響を受けて時計の精度が狂ってしまうこともあります。具体的にどこに異常があるのかは、専門の時計修理店に内部を見てもらうことでしか判断ができません。
時計の精度に異常が見られる場合は、なるべく早めに時計修理店に依頼するようにしましょう。放置していると他の部品に影響を及ぼし、故障がさらに大きくなってしまうこともあります。
匠工房では、タグ・ホイヤーに異常がある場合の点検やオーバーホールを承っています。無料見積り宅配パックでお申込みいただくと、送料・見積もり・キャンセル料無料( ※キャンセル時は返送の送料のみ、お客様にご負担いただいております )で対応しています。
「タグ・ホイヤーの精度に不安がある」「時計修理は費用が高くて気軽に出せない」と悩んでいる方は、お気軽にお申し込みください。
- 機械式時計の精度の測り方
タグ・ホイヤーが進む場合、気になるのは時計の進みが、機械式時計の許容範囲なのか?という点だと思います。ここでは機械式時計の精度の測り方と、日差の許容範囲がどこまでなのかを解説します。
時計の精度は気温や湿度など微妙な変化によって変わるため、日差を測るためには1日だけでなく1週間~10日間の平均値を確認する必要があります。一般的に気温が高ければ時計は遅れ、気温が低いと進む傾向があります。
日差を測るには専用の機械もありますが、自分で毎日記録をつけて日差を出す方法もあります。ゼンマイを巻き上げて標準時刻に合わせてから、24時間後に時間を確認し、標準時間とどのくらいの誤差が出たのかを記録しましょう。これを1週間~10日ほど行い平均値を計算することで、その時計の日差を出すことができます。
- 機械式時計の精度の許容範囲は?
結論から述べると、
- 現行モデルの時計であれば日差-10~+20秒
- アンティーク・ヴィンテージモデルであれば-30~+60秒
が許容範囲と言えます。この範囲であれば、故障ではなく機械式時計の日差の想定内と考えられます。
ロレックスの公式に発表されている日差は-2~+2秒ですが、それは時計を止めた状態での静止精度と呼ばれるものです。そのため実際に時計を着用すれば、角度や動きによって精度はこれよりもずれることが考えられます。
また時刻調整をせずに毎日使い続けていると、一日数秒の日差でも数ヶ月経てば数分になることもあります。そのため「タグ・ホイヤーが数分進んでいる」と思ったら、一度自分で精度を測ってみることをおすすめします。
タグ・ホイヤーが進む原因
タグ・ホイヤーの機械式が進む大きな原因の一つに内部の故障があります。そのなかでも特に考えられるいくつかの原因を紹介します。
磁気帯び
タグ・ホイヤーが進む原因として、最も多いのが磁気帯びです。磁気帯びとは時計に磁気が発生している状態です。機械式時計は内部のムーブメントが金属でできているため磁気を発生するものに近づけてしまうと磁気が移ってしまう場合があります。
磁気を発生するものは身近にたくさんあります。パソコンやスマートフォン、電子レンジやカバンのマグネットタイプの留め具などが該当します。とくにパソコンやスマートフォンなどは無意識のうちに時計を近づけすぎてしまうことが多い電化製品です。
- ノートパソコンの上に時計を置く
- スマホと時計を一緒にポケットにしまう
- カバンの留め具に近い内ポケットに時計を入れる
上記のような、ちょっとしたことでも時計は磁気帯びしてしまいます。磁気帯びしてしまうと、専門の機械で磁気を抜く必要があるため「磁気帯びかな?」と感じたらお気軽にご相談ください。
ヒゲゼンマイの異常
タグ・ホイヤーの進みとして考えられる二つ目の原因は、ヒゲゼンマイの異常が考えられます。ヒゲゼンマイは機械式時計の心臓部分といえる場所で、精度をつかさどるもっとも重要な部品の一つです。金属製の帯で渦巻状の形をしていて、その精度はとても繊細なものです。
ゼンマイは板状で巻き上げられることに対して、ヒゲゼンマイは巻き上げられることはなく、テンプの振れを一定に保つために存在しています。
髪の毛のように細く、0.001ミリ狂うだけで1日辺り30分も変わってしまうこともあります。
これだけ繊細な部品だと、落下や激しくぶつけるといった強い衝撃を受けるとヒゲゼンマイに異常が発生することがあります。ヒゲゼンマイの中心が歪んだりヒゲゼンマイが絡まったりすると、進みや遅れ、止まりの原因になってしまいます。
また、油や水分がヒゲゼンマイについてしまい、ヒゲゼンマイ同士がくっつく場合や、磁気によりヒゲゼンマイ同士がくっついて、進みの原因になる場合があります。ヒゲゼンマイに異常がある場合は、内部の機械を分解して点検する必要があります。
内部部品の故障
タグ・ホイヤーが進む3つ目の原因として考えられるのが、内部部品の故障です。上記に挙げたゼンマイの異常はもちろん、他の部品が破損しても精度は狂ってしまいます。
強い衝撃で破損するのはもちろん、部品の金属疲労や摩耗により破損してしまう場合もあります。時計は精密機械のため、車の車検と同じように定期的な点検であるオーバーホールが必要です。
タグ・ホイヤー機械式時計のオーバーホールの推奨期間は3~5年に一度と言われています。しかし長年メンテナンスをせずに使い続けていると故障してしまうことがあります。時計は小さな部品が組み合わさって動いているため、最初は一つの小さな部品の故障であっても、他の部品に連動して壊れてしまうこともあります。そうなると多数の部品自体を交換しなければいけないため、部品代がかさみ結果的に修理費が大幅にかかってしまいます。そのため、たとえ壊れていなくても、定期的なオーバーホールをお勧めいたします。
タグ・ホイヤー機械式時計の進みに関する当店の修理事例
匠工房で、これまで承ったタグホイヤーのオーバーホール事例を紹介します。
タグホイヤー リンク
自動巻ですが6時間で約30分程進みます。 とのことでご相談を頂きました。
今回は取れたリューズが同封されており、リューズ修理が可能な状態でした。
リューズの折れ込み具合によっては、リューズの交換、または修理不可/お見積り不可でご返送させて頂く場合もございます。
ヒゲゼンマイ絡みの為、オーバーホール時にヒゲゼンマイ絡み直しも実施致しました。
急に時間が進むようになった…などの場合、磁気帯びやヒゲゼンマイ絡みのケースが多いです。
ヒゲゼンマイは、機械式時計の時間基準となるテンプの振れを一定に保つために取付られたバネであり、衝撃などが原因で絡んでしまうことがあります。(強い衝撃の場合は、テンプが振り切って止まってしまうケースもございます。)
そして、リューズのロックがかなり浅い(いつロックできなくなってもおかしくない)状態でしたので、オプションとしてリューズ・チューブの交換をご提案しましたところ、リューズ・チューブも交換有りで修理のご依頼を頂きました。 (今回は純正品でのご提案です。)
リューズがねじ込みできずに飛び出した状態になると、その部分から湿気やゴミが混入しやすくなり、内部の機械にもダメージを与えることとなってしまいますので、飛び出したままご使用されているお客様はどうぞご注意くださいませ。
故障かも?と思ったらお気軽にご相談ください
タグ・ホイヤーの進みの原因や対処法、修理依頼に出す目安の精度を解説しました。タグ・ホイヤーの機械式時計は、使用状況によって正しい時刻とのズレが発生します。そのためタグ・ホイヤーの機械式時計が進むからと言って、必ずしも壊れているとは限りません。
しかし、ぶつけたり落としたりといった衝撃で内部の機械や歯車に不具合が生じてしまいます。そのまま放置すると、部品の故障がさらに広がり費用も高くなってしまう可能性があるため、できるだけ早く時計修理を依頼するようにしましょう。
匠工房では、タグ・ホイヤーのオーバーホールの実績が豊富にあります。気になることや相談したいことがある方は、お気軽にお問い合わせください。
無料見積り宅配パックをお申し込みいただきますと、 送料・見積もり・キャンセル料無料 でございます。
修理が難しい状態・機種の場合は、予めメールでご返信できるように努めております。
おかげさまでリピーター様多数、多くのお客様にご支持いただいております。どうぞ安心してお申込みいただければ幸いです。