修理事例のご紹介

ロレックス 3番車オーバーホールゼンマイベゼルディスク内部ネジ裏蓋パッキン

ロレックス GMTマスター2 のオーバーホール、修理(神奈川県横浜市のお客様)

神奈川県横浜市のお客様より、時計修理の匠工房に、ロレックス GMTマスター2 の修理依頼がございました。

購入して15年ほど使用の為、オーバーホール。ベゼルの数字が書かれている赤黒部分の交換も希望と、相談を頂きました。

※到着時のお写真を使用しております

GMTマスター2 について

GMTマスター2は、GMTマスターの上位機種として1982年頃に発表されました。

サファイアガラスを採用したことで耐傷性がアップし、短針の単独可動が可能になったことで、 ベゼルとの併用で3つのタイムゾーンが確認できるようになりました。
ケースに厚みが増したことで耐久性も高められ、 GMTマスターの上位機種として区別するために、初代GMTマスター2はそれまでになかった赤黒の配色のベゼルが採用されています。

その後は、赤青や青黒、バリエーションに富んだデザインが発表されており、機能性や高級感のある外観で、衰えることなく人気を博しています。


時計の状態

やはり内部の油切れ/劣化の状態でしたが、非常に丁寧にご使用されておられたようで、内部の交換部品は当初考えていたよりも少なく済みました。

15年ほどご使用されているお客様の中には、ロレックスのリューズのロックが浅い/不良になっている方も比較的多いのですが、今回のお客様はまだねじ込みもでき、交換をご提案するほどの劣化はございませんでした。
(文字板や針、ガラスも綺麗な状態でした)

内部部品は、裏蓋のパッキン、ゼンマイに加えて、輪列を担う3番車と内部ネジを純正品で交換致しました。

そして、お申し込み時に記載のあった、ロレックス GMTマスター2 のベゼルディスクは、純正品で交換 (※2020年時点/2021年現在はベゼルディスク純正品は手配不可) させて頂きました。

ベゼルディスクは使用可能な場合は、通常交換のご提案致しませんが、今回はお申し込み時にお客よりご要望がございましたので、交換をご提案させて頂きました。

退色が進んだベゼルディスクも味があって良いですが、新品になって彩を取り戻したベゼルディスクも、やはり良いですね。
全く違う時計のような印象を受けます。

今回のお客様は、文字板や針、ガラスも非常に綺麗な状態でしたので、より一層美しく感じました。

修理完了後、納品前のお写真です

この度は当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。


●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、ゼンマイ、ベゼルディスク、3番車、内部ネジ

修理料金:5万円台後半(税抜)※修理当時(2020年)の価格


ロレックスは元々が丈夫な造りになっていますので、長年オーバーホールをされなくても、動くには動いてしまうことが多いです。

その為、内部の油が切れかかった状態でご使用されているお客様も多く、動かなくなってから修理をされる方も非常に多い時計です。

お客様の使用状況にもよりますし一概には言えませんが、4~5年に一度、定期メンテナンスとしてオーバーホールをされて、内部の油が回っている状態の時計と、10年以上何もされていない時計では、部品の摩耗具合も変わってきます。
(油がある状態で動く歯車と、油がない状態で動く歯車を想像されてみてください)

以前、別のお客様で、「長年なんとか動いていたので、騙し騙し使っていましたが、とうとう止まってしまいました」とご相談を頂き、ロレックスをお預かりされて頂いた事がございます。

アンティークで良いロレックスでしたが、残念ながら内部のサビが酷く、アンティークの為に部品の手配もできない為、残念ながらお見積り不可でご返送させて頂きました。

湿気/水入りで放置されたことにより、内部にサビが回ってしまうケースもございます。ロレックスは良い時計ですので長くご使用される為にも、定期メンテナンスをお勧めさせて頂きます。