修理事例のご紹介

セイコー AGローターオーバーホールキャパシタ

セイコー AGS ランドマスター/止まった(静岡県浜松市のお客様)

セイコー ランドマスター AGS

静岡県浜松市のお客様より、時計修理の匠工房にセイコー AGS ランドマスター(5M23-6A20)の修理依頼がございました。

1995年製で当時新品で購入して、10年以上使用していましたが、止まってしまったため、修理に出そうとしましたが、購入した店舗が撤退してしまっていた為、保管しておりました。外観、リューズなど特に傷んでいるようには感じられません。お見積もりお願い致します。
との事でご相談を頂きました。

※到着時のお写真です。

今回は、オーバーホールとキャパシタ、AGローターの交換を実施致しました。

一般的な電池で動く時計の場合は定期的な電池交換が必要ですが、AGS ランドマスターはセイコー独自の機械を搭載しており、時計を振ることによって発電し時計を動かします。

お客様の時計(5M23-6A20)は2時方向のボタンを押すと、腕の振りで蓄えられた充電があと何日持つかを針の動きで知ることができます。
動きが少ない場合は充電されませんので1日10時間以上の携帯、またはこまめに振って充電を蓄えることがお勧めされています。
(あまり強く振るのではなく、1秒間に2往復程度の早さで振ることが推奨されています。)
(充電が少なくなると針が2秒運針になります。2秒運針時は、2時ボタンのインジケーター機能は使用できません。)

2時ボタン(インジケーター)を押すと秒針が早送りされ、大まかな充電残量を知ることができます。
インジケーターを押すと一時的に早送りされた位置で秒針が留まりますが、その後時間を刻み初めます。

●秒針の早送り量:5秒→約3~24時間、10秒→約1~2日、20秒→約2~3日、30秒→約3日以上

カレンダー早送り禁止時間帯(午後9時~午前3時くらい)に、リューズの操作でカレンダーを早送りすると故障の原因になる場合もあるので、カレンダーの早送りをする場合は一度時刻を朝6時くらいにセットしてから早送りすることをお勧め致します。

修理完了後、納品前のお写真です

この度は当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、キャパシタ、AGローター

修理料金:2万円台半ば(税抜) ※修理当時(2021年)の価格


 

セイコー AGS ランドマスター/ 充電不良、持続時間が短い( 神奈川県平塚市のお客様)

神奈川県平塚市のお客様より、時計修理の匠工房にセイコー AGS ランドマスター(5M23-6A20)の修理依頼がございました。

充電されにくくなり、2秒運針の状態です。オーバーホールと充電池の状態を診ていただきたいです。
との事でご相談を頂きました。

※到着時のお写真です。

今回のお客様は2016年にもオーバーホールをご依頼頂いたリピーター様です。

オーバーホールとキャパシタ(二次電池)の交換を実施致しました。

セイコー ランドマスター(5M23-6A20)は裏蓋の無い一体型のワンピース構造をしており、 “電池交換不要のアドベンチャーウオッチ”をコンセプトに開発されました。

この時計は腕の動きで発電した電気エネルギーをキャパシタに蓄える、自動巻き発電時計です。自動巻き発電時計は一般的な自動巻き時計と違い、キャパシタに蓄えた電気エネルギーを専用の回路が制御して動かすので、電池で動く時計のような高精度を持っています。


稀に時計を保管する際に、リューズを引き出して秒針を止めて保管していましたと言われるお客様もいらっしゃいますが、充電残量がたくさんある状態でリューズを引き出して運針を止めても電流は消費されますので、充電量(持続時間)の維持はできません。

リューズを引き出しておくことによって湿気やホコリが侵入するリスクが上がりますので、保管する場合もリューズは閉めておくことをお勧め致します。


修理完了後、納品前のお写真です

この度は当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、キャパシタ

修理料金:2万円台前半(税抜) ※修理当時(2022年)の価格