メンテナンスコラム

カルティエ

カルティエタンクのオーバーホール料金は?正規店と時計修理店を比較

カルティエは著名なジュエリーブランドでありながら、高精度な腕時計を製造する時計ブランドとしても知られています。時計業界にとって伝説と言われるタンクシリーズ、世界初の男性用腕時計として登場したサントス、防水用時計のパシャなど数多くの名作時計を生み出してきました。

しかしカルティエのオーバーホールを長年していない方が多いのも事実です。高級腕時計だからずっと使い続けられると思っている方もいらっしゃいますが、実際には定期的なオーバーホールが必要です。この記事では、カルティエのオーバーホールの頻度や料金、正規店と時計修理店の比較をしていきます。

カルティエのような高級腕時計でもオーバーホールは必要?

腕時計の修理専門店である匠工房には、カルティエに関するご相談もたくさん頂きます。そのなかでもに特に多いのが「カルティエのような高級腕時計でもオーバーホールは必要なのか?」という質問です。

確かにカルティエの腕時計は、最新のモデルは自社製造ムーブメントを搭載しており、丈夫で高精度なところが魅力です。しかしこういった高精度のムーブメントであっても、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。車の車検のように、腕時計も内部の機械に異常がないか点検しなければ、故障の原因となってしまいます。

オーバーホールは内部のムーブメントをすべて分解し、異常がないかを点検し劣化が見られる部品は交換、部品を洗浄し、再び組み上げる一連の作業のことを指します。

カルティエの機械式時計の内部は100以上の部品が組み合わさっているため、1つの部品の小さな異常が、大きな破損につながることもあります。小さな異常は見た目ではわからないため、裏蓋を開けて機械をある程度点検する必要があります。

カルティエを長く使い続けるには、早めに小さな異常を発見して直しておくことが重要です。オーバーホールをせずに放置してしまうと、交換する部品が多くなり費用が高額になったり、最悪の場合修理ができなくなったりしてしまいます。

カルティエのオーバーホール推奨期間と納期

カルティエのオーバーホールの推奨期間は、手巻きや自動巻きといった機械式腕時計の場合3~5年に1度、電池式のクォーツ腕時計は4年に1度と言われています。しかしこれは何も問題なく動いていた場合のため、もし何かしらの異常がある場合は、この期間より短くても早めにオーバーホールを依頼することをおすすめします。

オーバーホールを依頼してから完了するまでの納期は、メーカー正規店では6~12週間です。腕時計の状態やモデル、年代によって変わってきますが正規店は納期がかかりますので、余裕を持って依頼しましょう。

一方、民間の時計修理店では4~8週間が多いです。2週間程度の納期を謳っている店舗もありますが、オーバーホールが完了した後に4~5日かけて時計が正確な時を刻んでいるか最終テストを行います。そのため、ある程度オーバーホールの期間を取っている店舗のほうが安心と言えます。

カルティエタンクのオーバーホール依頼方法

カルティエタンクのオーバーホールを依頼する方法は、大きく2つあります。

正規店

1つ目はカルティエの正規店で依頼する方法です。カルティエの正規店では、コンプリートサービスと言う名目でオーバーホールを受け付けています。全国のカルティエブティックに持ち込むか、直接正規カルティエのカスタマーサービスへ郵送で依頼する方法があります。

正規店では専属の技術者によるオーバーホールを行い、交換する部品もすべて純正部品のため安心して依頼できます。しかしその分、オーバーホールにかかる費用は高額で納期もかかるため、オーバーホール費用を少しでも抑えたいという方は、次に紹介する民間の時計修理店へ依頼しましょう。

時計修理店

時計修理店は、民間が運営する時計修理を専門に行っている店舗を指します。全国にわたり展開するような大規模なところから、個人でやっているような小規模なところまでさまざまな店舗があります。

時計修理店のメリットは、正規店と比べて圧倒的に価格が安いところです。カルティエのコンプリートサービスよりも3~5割程度安く押さえることができます。しかし時計修理店は数多くあるため、店舗によって品質に差があり優良な店舗を見極める必要があります。優良な店舗の見極め方は下記の3つです。

  1. 資格を持った技術者が在籍しているか
  2. 純正部品を使用しているか
  3. アフターサービスはしっかりしているか

時計修理には、国家資格である時計修理技能士という資格があります。とくに1級時計修理技能士は、7年以上の時計修理の実務経験がないと受験できないため、この資格を持つ技術者は知識・経験ともに優れていると言えます。

またブランドの純正部品は、独自のルートや部品を取り扱っている企業と長年の取引がないと入手できないため、純正部品を取り扱っているということはそれだけ信頼できる店舗と言えます。修理が完了した後のアフターサービスも確認しましょう。優良な時計修理店では修理後の保証がついているため、安心して依頼することができます。また保証期間が長いということは、それだけ修理技術に自信があると言えます。

カルティエタンクのオーバーホール料金を比較

カルティエタンクを正規店と時計修理店で依頼した場合の料金を比較してみましょう。時計修理店は代表して匠工房の料金と比較します。

タイプ・仕様 正規メーカー 時計修理店(匠工房)
クォーツ式ムーブメント 44,000円~ 18,000円~※オクタゴン
機械式ムーブメント 66,000円~ 28,000円~

カルティエのコンプリートサービスでは、多くのモデルが内部のムーブメントを丸ごと交換する方法が取られているため、費用が高額に設定されています。その反面、時計修理店では問題のある部品だけを交換するため、上記の基本費用に部品代がプラスされます。

匠工房でのカルティエオーバーホール事例

匠工房で、これまで承ったカルティエタンクのオーバーホール事例を紹介します。

カルティエ タンク/オーバーホール、回路交換

▼カルティエ タンク/オーバーホール、回路交換

愛知県のお客様よりカルティエタンクフランセーズが、電池交換をしてもしばらくすると止まってしまうとのことでご依頼いただきました。

今回お預かりしたタンクフランセーズはクォーツ式ムーブメントで、点検したところ回路が不良になっていました。クォーツ式ムーブメントの回路は時計の心臓部であり、ここが不良になってしまうと時計が動かなくなってしまいます。回路は交換するしかないため、今回は裏蓋パッキンと一緒に回路も交換しました。

また、今回内部への湿気が入っていたことが原因の一つと考えられます。パッキンはゴム製のため定期的な交換が必要です。長年オーバーホールをしていないとパッキンが劣化し、内部に水が入りやすくなってしまいます。

時計は手を洗うときといった日常生活で水がかかってしまうことがあります。時計に水がかかってしまった場合、すぐに拭き取る、濡れた手でリューズを操作しないなどの対応で湿気入りのリスクを減らすことができます。

カルティエタンク/リューズ取付、オーバーホール

▼カルティエ タンク/オーバーホール、リューズ取付

カルティエ リューズ 取れた

カルティエのタンクフランセーズのリューズ紛失と不動でご相談をいただきました。タンクフランセーズにはリューズの先にカボションと呼ばれる石が付いておりますが、このカボションが取れてしまうというご相談も多くあります。今回はリューズごと交換となりました。タンク以外にも、モデルによりますがリューズ交換ができるものがありますので、お気軽にお問い合わせください。

時計自体は、オーバーホールを行ったところ問題なく動きましたので裏蓋パッキンの交換と電池交換を行いました。匠工房では交換部品は基本的に純正部品で対応していますが、万が一欠品している場合や価格が高騰している場合などには、代替品や社外品でご提案させていただく場合もございます。その場合、お客様にお見積りの際にお知らせし、ご了承をいただいてからの対応となりますので、どうぞ安心してご依頼ください。

カルティエマストタンク/オーバーホール

▼カルティエ タンク/オーバーホール、機械枠の交換

カルティエのマストタンクの遅れで修理を依頼いただきました。オールド機種のため、前回のオーバーホール時期は不明とのことです。

内部を点検したところ、ムーブメントの油の劣化、磁気帯び、部品の破損が見られました。ムーブメントには摩耗が激しい部分に油を塗布して潤滑をよくしています。しかしその油は、経年劣化により乾いたり変質したりして周囲の部品に悪影響を及ぼすことがあります。今回は長年オーバーホールを行っていなかったため、油が乾いて動きが悪くなっていたようです。また機械枠にひび割れが見られました。オールド機種では機械枠のひび割れや破損が比較的多いです。

磁気帯びは、強い磁気を発する製品に腕時計を近づけたことにより、磁気が時計内部のムーブメントに移ってしまう現象のことです。磁気が移ったムーブメントは正常に動作できないため、時計の進みや遅れ、最悪の場合は不動に繋がります。

磁気を発する製品はパソコンやノートパソコン、スピーカー、電子レンジなど身近なところに多数あるため、腕時計を近づけないように気をつけましょう。とくにオールド機種は磁気帯びの影響を受けやすいため注意が必要です。磁気帯びした時計は、専用の器具で磁気抜きする必要があります。

匠工房ではカルティエタンクのオーバーホールを受け付けています

カルティエタンクのオーバーホールを検討している方は、匠工房にお任せください。

匠工房では、次の3つの強みがあります。

  • カルティエを専門に扱う修理技能士が対応
  • 純正部品を使用
  • 修理後の保証は1年間(オールド機種は半年)

匠工房では、カルティエを専門に時計修理を行ってきた技術者が在籍しています。汎用ムーブメントと自社製造ムーブメントを併用しているカルティエであっても、それぞれの時計に最適なメンテナンスを見極め対応いたします。

交換部品が発生した場合は、基本的に純正部品を使用しています。純正部品で対応できない場合は、見積もり時にご案内しご了承をいただいてからの修理となりますので安心してご依頼いただけます。また、修理進行中に新たに見つかった内部の交換部品代金は、お客様にご請求はいたしません。「修理進行後、追加費用がかかった」ということは一切ありませんのでご安心ください。

カルティエのオーバーホールは、無料の見積り宅配パックで全国から受け付けています。ご自宅からカルティエのオーバーホール依頼が完了します。見積もり・キャンセル手数料無料のためカルティエタンクをはじめ、腕時計のオーバーホールを検討している方は、お気軽にお申し込みください。

匠工房は、見積もり後、約9割以上のお客様から正式な修理依頼を承っています。有り難いことに、リピーターのお客様も多数いらっしゃいます。「初めてのオーバーホールで不安がある」「他店で嫌な思いをした」といったお客様も当店のサービスに満足いただけるかと思います。気になることがある方は、お気軽にお問い合わせください。