修理事例のご紹介

カルティエ オーバーホール機械枠裏蓋パッキン電池交換

カルティエ マストタンク/オーバーホール、部品交換(埼玉県志木市のお客様)

cartier

埼玉県志木市のお客様より、時計修理の匠工房に、カルティエ マスト タンクの修理依頼がございました。

時間がどんどん遅れるようになってしまいました。
ヴィンテージで購入したものなので以前にオーバーホールしたのがいつかも分かりません。
とのことでお申し込みを頂きました。

※到着時のお写真を使用しております。

カルティエについて

1847年でパリで創業したカルティエは、 ジュエリーブランドとしての地位も高く、カルティエ=高級なイメージがあります。時計に関してもタンク、パシャ、サントスなど、豊富なラインと独自性で、男女問わず人気のブランドです。


生産終了のオールド機種であるマストタンクですが、文字板の種類が多いので、同じマストタンクでもイメージがガラリと変わります。

マストタンクのケースに使用されるヴェルメイユとは、金を貼りつける加工技術で、金メッキは金メッキでもコストのかかるコーティング技術です。

年数が経つにつれ、汗や空気で酸化・硫化してしまい、ケースが玉虫色や黒く変色することもございますが、オーバーホールに含まれる洗浄サービスでほぼキレイになります。 (腐食やキズ、メッキの剥げた部分は現状のままとなります)

生産終了のマストタンクは非防水ですが、それを差し引いても、シンプルで上品な高級感が世代を超えて指示され、修理のご依頼も多い機種となります。

時計の状態

ムーブ内油劣化、磁気入り、パーツ破損の為、オーバーホールと電池、部品交換を実施致しました。
裏蓋パッキンが劣化、機械枠がひび割れの為、交換を致しました。

マストタンクは オールド 機種の為、機械枠にヒビや破損したものが送られてくることが比較的多いです。

そして、今回は磁気入りも確認できましたので、磁気抜きも行いました。

この時計は非防水ですので、水回り、湿度の高い場所や湿度が多い季節でのご使用にはどうぞご注意くださいませ。
(手を洗う際は外す、なるべく雨に濡れないようにして、濡れた場合はすぐに拭き取るなど)

修理完了後、納品前のお写真です

磁気について

強い磁気を帯びた時計は、進みや遅れ、止まりといった症状がおきます。
(磁気は目に見えませんので、ほとんどは気付かないうちに磁気帯びしている場合が多いです。)
(電気カミソリや磁気ネックレス、IHクッキングヒーター、スピーカーや充電器にハンドバッグの留金など、非常に気付きにくく、
例えば保管場所がゴルフのグリーンマーカー(マグネットタイプ)近くだった為による、磁気入りのケースなども過去にございました。)

アンティーク機種の時計の場合、特に磁気を帯びやすい傾向がみられますが、磁気は目に見えませんし、今の時代はあらゆる部分に磁気が存在しますので、あまり神経質にならずにご使用されることをお勧めさせて頂きます。
(磁気入りだけが原因の場合は、磁気抜きを行うと正常に動作します)


当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、電池、機械枠

修理料金:3万円台後半(税抜)※修理当時の価格