修理事例のご紹介

カルティエ オーバーホールガラス機械枠裏蓋パッキン電池交換革ベルト(革バンド)交換

カルティエ マスト タンクの修理・オーバーホールを実施しました(神奈川県川崎市のお客様)

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神奈川県川崎市のお客様より、時計修理の匠工房に、カルティエ マスト タンクの修理依頼がございました。

購入して20年以上。電池が止まって1年ほど。ケースの変色も気になる。とのことでお申し込みを頂きました。

※到着時のお写真を使用しております。

カルティエについて

1847年でパリで創業したカルティエは、 ジュエリーブランドとしての地位も高く、カルティエ=高級なイメージがあります。時計に関してもタンク、パシャ、サントスなど、豊富なラインと独自性で、男女問わず人気のブランドです。


タンクは元々、戦車のキャタピラーをモチーフにしたと言われておりますが、シンプルなデザインながら、一目でカルティエ タンクとわかるデザイン性は流石一流ブランドです。

生産終了のアンティーク機種であるマストタンクですが、文字板の種類が多いので、同じマストタンクでもイメージがガラリと変わります。

そして、マストタンクのケースに使用されるヴェルメイユとは、金を貼りつける加工技術で、金メッキは金メッキでもコストのかかるコーティング技術です。
92.5%は銀で出来ているスターリングシルバーに、ゴールドのコーティングが施され、耐久性に加えて高級感が演出されています。

年数が経つにつれ、汗や空気で酸化・硫化してしまい、ケースが玉虫色や黒く変色することもございますが、オーバーホールに含まれる洗浄サービスでほぼキレイになります。 (腐食や剥げた部分は現状のままとなります)

生産終了のマストタンクは非防水ですが、それを差し引いても、シンプルで上品な高級感が世代を超えて指示され、修理のご依頼も多い機種となります。

時計の状態

電池液漏れ、腐食、 機械枠が破損している状態でした。

ベルトは劣化の為、ガラスはキズが多い為、オプションで交換をご提案させて頂きました所、両方とも交換のご要望を頂きました。
ガラスは代用品ですが、外観上は、ほぼ同じでございます。
革ベルトは牛革の型押し(黒)で、どんなシーンにも合うオーソドックスな組み合わせでご提案を致しました。

カルティエ マストタンク ヴェルメイユ を長年使用されたお客様の中には、金色の部分が酸化などで玉虫色に変色している状態がよく見られます。

文字板の汚れやケースのキズ等は現状のままとなりますが、オーバーホールの洗浄で、ケースの変色はほぼキレイになります。

マストタンクはアンティーク機種の為、非防水ですので、 水回りや湿度の高い場所は避けてご使用されることをお勧めさせて頂きます。(手を洗う際は外す、なるべく雨に濡れないようにして、濡れた場合はすぐに拭き取るなど)

修理完了後、納品前のお写真です

電池交換について

今後は、1年半~2年くらいでの、定期的な電池交換をお勧めさせて頂きます。

そして電池が切れてしまった場合は、可能な限り速やかに電池交換をお勧めさせて頂きます。
長期間に渡り使用する予定が無い場合は、お近くの時計店さまで電池を抜いて頂き保管されても良いかと思います。 ( 出来れば使用されない場合も、 定期的な電池交換を行い、時計を動かしておくことをお勧めさせて頂きます。 )


磁気について

強い磁気を帯びた時計は、進みや遅れ、止まりといった症状がおきます。
(磁気は目に見えませんので、ほとんどは気付かないうちに磁気帯びしている場合が多いです。)
(電気カミソリや磁気ネックレス、IHクッキングヒーター、スピーカーや充電器にハンドバッグの留金など、非常に気付きにくく、
例えば保管場所がゴルフのグリーンマーカー(マグネットタイプ)近くだった為による、磁気入りのケースなども過去にございました。)

アンティーク機種の時計の場合、特に磁気を帯びやすい傾向がみられますが、磁気は目に見えませんし、今の時代はあらゆる部分に磁気が存在しますので、あまり神経質にならずにご使用されることをお勧めさせて頂きます。
(磁気入りだけが原因の場合は、磁気抜きを行うと正常に動作します)


当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、電池、裏蓋パッキン、機械枠、ガラス (代用品) 、革ベルト( 牛革/代用品)

修理料金:5万円台半ば(税抜)※修理当時の価格