修理事例のご紹介

カルティエ オーバーホールガラス裏蓋パッキン革ベルト(革バンド)交換

カルティエ マストタンクのオーバーホールを実施しました(愛知県名古屋市のお客様)

cartier

愛知県名古屋市のお客様より、時計修理の匠工房に、カルティエ マストタンクの修理依頼がございました。

フェイスの腐食、オーバーホール、ガラス、ベルトの交換。今は亡き両親と初海外旅行の記念に買ってもらいました。大学生の娘に譲りたいと思っています。 とのことでお申し込みを頂きました。

 

※到着時のお写真を使用しております。

カルティエについて

1847年でパリで創業したカルティエは、 ジュエリーブランドとしての地位も高く、カルティエ=高級なイメージがあります。時計に関してもタンク、パシャ、サントスなど、豊富なラインと独自性で、男女問わず人気のブランドです。


タンクは元々、戦車のキャタピラーをモチーフにしたと言われておりますが、シンプルなデザインながら、一目でカルティエ タンクとわかるデザイン性は流石一流ブランドです。

生産終了のアンティーク機種であるマストタンクですが、文字板の種類が多いので、同じマストタンクでもイメージがガラリと変わります。

そして、マストタンクのケースに使用されるヴェルメイユとは、金を貼りつける加工技術で、金メッキは金メッキでもコストのかかるコーティング技術です。
92.5%は銀で出来ているスターリングシルバーに、ゴールドのコーティングが施され、耐久性に加えて高級感が演出されています。

年数が経つにつれ、汗や空気で酸化・硫化してしまい、ケースが玉虫色や黒く変色することもございますが、オーバーホールに含まれる洗浄サービスでほぼキレイになります。 (腐食や剥げた部分は現状のままとなります)

生産終了のマストタンクは非防水ですが、それを差し引いても、シンプルで上品な高級感が世代を超えて指示され、修理のご依頼も多い機種となります。

時計の状態

ムーブ内油劣化と湿気入りの為、オーバーホールと裏蓋パッキンの交換が必要な状態でした。

マストタンクは非防水の機種ですので、比較的、湿気入りでのご相談が多い機種です。
ケースも経年劣化で腐食してしまいますので、日常使用というよりは、特別な日のご使用をお勧めさせて頂きます。

その他、お客様よりご希望をいただいておりました、ガラスと革ベルトの交換を代用品でご提案させて頂きました。

ガラスは代用品ですが、外観上はほぼ同じでございます。

そして、マストタンクのヴェルメイユのタイプには、黒や茶色の革ベルトが着いている事が多いですが、 今回のお客様は元々、白い革ベルトが着いておりました。

お嬢様に譲られるということで、革ベルトのお見積りをご希望されておりましたので、元々のベルトに似たデザインでワニ革のベルト交換をご提案させて頂きました。(申し訳ございませんが純正品のベルトは、メーカー様(カルティエ)でないと手配不可でございます。)

今回、革ベルトのお色はブルーをご選択頂きました。

cartier must tank

修理完了後、納品前のお写真です

文字板の汚れやケースのキズ等は現状のままとなりますが、オーバーホールの洗浄で、ケースの変色はほぼキレイになりました。

修理完了後の時計は、金色のケースに上品なブルーが映えて、とても綺麗でした。ブルーを選ばれたお客様のセンスが素晴らしいです。

これからはお嬢様のお手元で、時を一緒に刻んで行けるかと思います。

当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、ガラス (代用品) 、革ベルト(ワニ革/代用品)

修理料金:5万円台半ば(税抜)※修理当時の価格