ロレックス
ロレックスの時計に曇りや結露が発生したときの対処法を解説
ロレックスは、時計好きなら誰もが憧れる高級時計です。
ブランドの地位はもちろん高い堅牢性や高級感のあふれるデザイン、モデルごとの歴史など多くの魅力があり、時計ファンの心を長年掴んでいます。
そんなロレックスですが、「時計の内部に曇りが発生してしまった」「ガラス内部に結露ができているが大丈夫か?」といったお問い合わせをいただくことがあります。
時計の曇りや結露にはいくつか原因があり、それぞれ対処法が異なります。曇りや結露を長期間放置してしまうと、内部の機械が錆びてしまい修理代金が高額になることもあります。
そこで今回は、ロレックスの曇りや結露の原因と対処法について解説します。大切なロレックスを長く使っていきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ロレックスに曇りが発生する理由
ロレックスに曇りや結露が発生するのは、大きく分けて次の2つの理由が考えられます。
- 外気との温度差による結露
- 時計内部に水が入っている
外気との温度差による結露の場合、すぐに曇りが消えるのが特徴です。この場合はとくに問題ありませんが、時計の内部に水が入っている場合、早急に対応する必要があります。
外気との温度差による結露
ロレックスに曇りが発生している1つ目の理由は、外気との温度差が激しく、一時的に時計が曇ってしまっていることです。
寒いところから温かい室内へ入るとメガネが曇るように、温度差が激しいとガラスに曇りが発生します。この場合、曇りや結露は一時的なことが多く、時計と外気の温度が同じくらいになると自然になくなります。
しかし長時間曇りが消えない場合は、ロレックスの内部に水が入ってしまっている可能性が高いです。早急に修理をしないとサビや腐食につながってしまうため、すぐに専門業者に時計修理を依頼するようにしましょう。
ロレックス内部に水が入っている
ロレックスに結露が発生している2つ目の理由は、時計の内部に水が入ってしまっていることです。
何らかの理由で時計の内部に水が入ってしまうと、ガラスの内部に曇りや結露が発生します。時計の内部の機械の多くは金属でできているため、早急に対応しなければサビや腐食につながってしまいます。そのため早急に、専門業者に修理を依頼するようにしましょう。
また、なかには「ガラスを取り外して曇りを拭けばよいのではないか」といった意見もあります。しかし自身でガラスを取り外す行為はとても危険です。ロレックスのガラスの構造はとても複雑なため、ガラスを外すには特殊な工具や専門技術が必要です。自分でガラスを外そうとすると、故障やガラスの破損につながってしまうため、絶対にやめましょう。
時計内部に水が入ってしまう原因
ロレックスは時計の歴史を変える多くの発明をしてきました。オイスターケースはそのうちの一つであり、パーペチュアル機構、デイトジャストと並び「ロレックス三大発明」と呼ばれています。
オイスターケースとは、名前の通り牡蠣のように固く閉じたケースで、高い防水性能を持っているのが特徴です。しかしこのような高い防水性能を持ったロレックスでも内部に水が入ってしまうことがあります。その原因は大きく2つあります。
リューズがきちんと締まっていない
ロレックスの内部に水が入ってしまう理由の1つ目は、リューズがきちんと締まっていないことです。
ロレックスには高い防水機能がありますが、それはきちんと利用されていることが前提となります。リューズは時計の機械内部に直接つながっている部品のため、しっかりと締め込む必要があります。リューズが引き出されたままだったり締め込みが緩かったりすると、隙間から水が時計内部へと侵入してしまいます。
またリューズやねじ込み部分に汚れが溜まっていると、リューズが閉まりにくく防水機能が発揮できないため、リューズ部分のこまめな清掃も必要です。
リューズ部分の清掃はリューズを開放し、毛先の柔らかい歯ブラシで隙間の汚れをかきだすようにしましょう。このとき、力は入れず丁寧に行うのがポイントです。壊れにくいロレックスでも、リューズを支える巻き芯と呼ばれる部位はとても細いため、力を入れたり乱暴に引っ張ったりすると破損につながってしまいます。
パッキンが劣化している
2つ目の理由は、パッキンの劣化です。ロレックスには裏蓋やリューズ、ガラス部分にゴム製のパッキンが使われており、これが防水機能を果たしています。しかしパッキンは時間とともに劣化するため、定期的な手入れや交換が必要です。
ロレックスを初めとした機械式時計は、3~5年に一度時計内部の機械を分解し点検・洗浄を行うオーバーホールというメンテナンスが必要です。通常、パッキンもこのときに劣化していないかを確認し、必要であれば交換を行います。
オーバーホールを怠ると、パッキンが切れてしまったり元の形から崩れてしまったりして、防水性が低下してしまいます。オーバーホールは車で言うところの車検のようなものであり、精密機械である時計も必ず定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。
ロレックスに曇りが発生したときの対処法
ロレックスに曇りが一時的なものであれば問題ありませんが、長時間曇りが発生している場合、内部に水が入っている可能性が高いため、早急に時計修理店へ持ち込んだほうが良いです。
しかしすぐに時計修理店へ持ち込めない場合もあります。そういった際の対処法を紹介します。ここで紹介する対処法は、あくまでも一時的な対処法のため、なるべく早く専門店でメンテナンスを受けるようにしましょう。
ドライヤーで乾かす
1つ目の方法は、ドライヤーで乾かす方法です。
手軽で簡単な方法ですが、ドライヤーと時計の位置が近いと時計内部の温度が高くなり、別の不具合が発生することもあるため注意が必要です。また、ただ単に時計に風を当てればよいというわけではありません。ロレックスは堅牢性が高く密閉されているため、リューズを引き出し水が出やすくなるようにしておきましょう。
乾燥剤と一緒に保管する
2つ目の方法は、ロレックスを乾燥剤と一緒に保管する方法です。
ロレックスのリューズを引き出し水が抜けやすいようにします。そしてジップロックやタッパーといった密閉された容器や袋に、ロレックスと除湿剤や乾燥剤などを入れておきましょう。
ただしこちらも一時的な対処法に過ぎません。この方法で曇りや結露が消えたとしても、内部の水を完全に取り去ることは不可能です。時計修理店にすぐに持ち込むことができない場合の、応急処置として考えておきましょう。
繰り返しになりますが、時計内部に水が入ってしまった場合は、必ず専門の時計修理店に依頼して分解・洗浄するオーバーホールを受けるようにしましょう。
防水の時計でも曇りが発生する?よくある防水時計の誤解
ロレックスの時計に関して「100m防水なのに水が入ってしまった」「ダイバーズウォッチなのに海で泳いだら浸水してしまった」「お風呂に入ったらガラス内に結露ができてしまった」という相談もいただきます。
たとえロレックスのような高い防水性能を備えた時計であっても、時計内部に水が入ってしまうことはあります。その原因は前述の通り、リューズの締め込みが緩かったりパッキンが劣化していたりといったことが考えられます。
ここでは、よくある防水時計の誤解を紹介します。
100m防水時計は浅瀬でも壊れる!?
防水性能に関して「100m防水は100mの深さまで対応できる」と考えている方もいますが、この認識は誤りです。100m防水の意味は、あくまで100mの水圧に時計が耐えられることを指しています。例え浅瀬であっても時計を激しく動かすと瞬間的に水圧が強くかかり、水が入ってしまうことがあります。水泳をする場合も同様に時計に水圧がかかってしまうため、外したほうが良いです。
水泳やダイビングなどに使用したい場合は、サブマリーナやシードゥエラーといったダイバーズウォッチを使用するようにしましょう。
海水は時計の天敵
海水は真水と違い、塩分や汚れを含んでいるためそのまま放置するとケースやパッキンの劣化やサビにつながってしまいます。そのため海での使用後は、真水で洗い、海水を洗い流すようにしましょう。
水で洗い流すときは、シャワーや水道から出る水を時計に直接当てるのは、やめたほうがいいです。シャワーや蛇口から出る水を直接当てると、水圧が強すぎて内部に浸水してしまう可能性があるからです。時計のリューズをしっかりしめ、真水を貯めた洗面器に時計を入れて優しく洗うようにしましょう。
特に回転ベゼルやコマの間には砂や塩分が残りやすいため注意が必要です。汚れが落ちにくいときは、歯ブラシを使うのがおすすめです。優しく汚れをかき出したら布で水気を拭き取り、直射日光の当たらない場所で1日ほど乾かしましょう。
ロレックスの曇りを放置するとどうなる?事例とともに紹介
ロレックスの曇りや結露を放置するとどうなるのでしょうか。実際の事例をもとに紹介します。
ロレックスデイトジャスト:くもりが取れたと思ったのに
ガラスの内部に曇りが発生しましたが、数日後曇りがなくなっていたためそのまま使用していました。しかしその結果、リューズの奥にある巻き芯が錆びてしまい、リューズが動かなくなってしまいました。すぐに修理に出していればオーバーホールの基本料金とパッキンの交換だけで済みましたが、数ヶ月放置してしまったためリューズや巻き芯の交換費用も発生してしまいました。
結露していない場合でも、湿気入りの場合は出来る限り早急な、オーバーホールをお勧め致します。
ロレックスサブマリーナ:防水時計だからと油断して
ロレックスのサブマリーナを海で使用した際に、リューズの締めが緩かったため内部に海水が入ってしまいました。内部の機械の多くが錆びてしまい、多数の部品交換が発生してしまいました。
また文字盤や針にも海水が侵食し、水分が乾燥した跡が残ってしまいました。これらの跡は取り除くことができないため、すべて交換になり費用も高額になります。
ロレックスのパーツに使われているステンレス素材は錆びや腐食に強いですが、絶対に錆びない・腐食しないというわけではありません。とくに金属は海水に弱いため、海水が入ってしまった場合は一刻も早く内部の海水を取り除くのが大切です。
まとめ:ロレックスの曇り・結露はすぐにメンテナンスを
ロレックスのガラスに曇りや結露が発生する原因や対処法を紹介しました。ロレックスは高い防水機能がありますが、正しい使い方をしなければ時計内部が結露・水が入ってしまうことがあります。その場合、一時的な対処はできますが技術者によるメンテナンスが必要です。
水入り・結露をそのまま放置してしまうと、内部のサビや腐食が広がり、結果的に高額な修理費用になってしまうため、なるべく早くメンテナンスを受けましょう。
ロレックスは車と同じように、定期的なメンテナンスであるオーバーホールが必要です。とくに防水を司るパッキンはゴム製で、経年劣化してしまうため定期的なオーバーホールで、交換することが重要です。オーバーホールの推奨期間は、3~5年に一度と言われています。
ロレックスを長く使い続けるためにも、定期的なオーバーホールを受けるようにしましょう。