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腕時計の遅れ・進み・止まりについて

お気に入りの腕時計が遅れる、進む、止まってしまった!そんな経験はありませんか?

腕時計修理・オーバーホール専門の匠工房では時計が動かない、遅れる、進むなど、沢山のお客様からご相談を頂いております。

時刻がだんだんと遅れるようになってきた

時計が動き出しても直ぐに止まる、以前は時計をつけていれば止まらなかったのに

気が付くと止まっている、または時刻が異常に進むなど

機械式の時計は気候や湿度、姿勢差や使用方法により精度に差が出るため、遅れ/進み気味になったからといって一概に壊れているとは言えません。またクォーツ時計でも電池の残量が少なくなると稀に遅れてしまうことがあります。
しかし、1日5分以上狂う場合や電池交換をしても不具合が直らない場合は別の原因が考えられます。
クォーツ時計の場合は、電池残量が少なくなっている可能性です。クォーツ時計は基本的に電池の残量が少なくなっても遅れることはあまりありませんが稀に起こります。この場合は電池交換をすることにより改善されますが、改善されない場合は他の原因が考えられます。

1つ目の原因は、時計の磁気帯びです。
磁気帯び(帯磁)とは、時計内部のムーブメントが磁化している状態のことを指します。時計のムーブメントは金属でできており、強い磁気が近くにあると磁気が金属に移ってしまう性質があります。ムーブメントが磁化すると動きが乱れ、精度が狂ったり最悪の場合は不動になります。
クォーツ時計も機械式時計と同じく磁気帯びは発生します。クォーツ時計は電池の動力で動いているため、ほとんどの部品が金属でできている機械式時計よりは磁気帯びしづらい傾向にありますが、それでも強い磁気に長時間さらされると磁気帯びしてしまいます。
強い磁気を発している製品は、パソコンやスマートフォンのスピーカー、充電器、電子レンジ、カバンのマグネット式の留め具など、身近なところに多々あるため、気づかない間に帯磁してしまうことが多いです。磁気帯びした場合は時計修理店で磁気抜きしてもらいましょう。

2つ目の原因は、ムーブメントの部品が破損している可能性です。
機械式の時計は、100以上の部品が組み合わさって動いています。そのため1つの部品に不具合があると、連動して他の部品にも影響が出てしまいます。
長年オーバーホールをせずに放置してしまうとパーツに不具合が発生し、時計の精度に狂いが出たり遅れが発生したりします。何年にもわたってオーバーホールをしていないという場合は、内部の機械に何らかの不具合が起こっている可能性が高いです。
とくに強い衝撃を受けると部品が破損することが多くあるため、時計をぶつけたり落としたりした後に不具合が発生している場合は、部品の破損が原因だと考えられます。

3つ目の原因は、内部の油切れが考えられます。
時計のムーブメントには、部品同士の摩耗を防ぐため潤滑油が塗布されています。この潤滑油が経年劣化により乾いたり劣化したりすると、部品同士のかみ合わせが悪くなり遅れが発生することがあります。潤滑油を新たに塗布するには時計修理店でオーバーホールを受ける必要があります。
しばらくオーバーホールをしていないという方は、潤滑油が劣化、または乾いていることが考えられます。
なるべく早めに時計修理店へオーバーホールを依頼するようにしましょう。

4つ目の原因は、ヒゲゼンマイの異常が考えられます。
ヒゲゼンマイは機械式時計の心臓部分ともいえるテンプの振れを一定に保つために取付られた部品で、精度をつかさどるもっとも重要な部品の一つです。金属製の帯で渦巻状の形をしており、その精度はとても繊細なものです。
髪の毛のように細く、0.001ミリ狂うだけで1日辺り30分も変わってしまうこともあります。
これだけ繊細な部品だと、落下や激しくぶつけるといった強い衝撃を受けるとヒゲゼンマイに異常が発生することがあります。ヒゲゼンマイの中心が歪んだりヒゲゼンマイが絡まったりすると、進みや遅れ、止まりの原因になってしまいます。
また、油や水分がヒゲゼンマイについてしまいヒゲゼンマイ同士がくっつく場合や、磁気によりヒゲゼンマイ同士がくっついて進みの原因になる場合もあります。ヒゲゼンマイに異常がある場合は、内部の機械を分解して点検する必要があります。

当店では時計の遅れ・進み・止まりの修理も承っておりますので、お困りのお客様は一度お気軽にご相談下さいませ。