修理事例のご紹介

セイコー オーバーホールキャパシタ裏蓋パッキン

セイコー キネティックのオーバーホール、キャパシタ交換など(岡山県倉敷市のお客様)

SEIKO KINETIC

岡山県倉敷市のお客様より、時計修理の匠工房に、セイコー キネティック(5J22-0D40)の修理依頼がございました。

19年間1度も オーバー ホール無し、1年前から風防内が曇りますので置いてました。
オーバーホール、蓄電池の交換も希望 。 とのことでお申し込みを頂きました。

※到着時のお写真を使用しております。

セイコー キネティックについて

1881年に、セイコーのルーツである”服部時計店”が創業し、1892年には時計製造工場として”精工舎”を設立し、当初は掛時計の製造を行っていました。

そして、1924年に”精巧な時計を作る”という創業時の原点に立ち返るという想いを込めて、初めて『セイコー』腕時計ブランドが冠されました。


一般のクオーツ式の腕時計はボタン型電池で動きますが、キネティック(KINETIC)は、【時計を振る】ことによって内蔵された発電機が回され、発電した電気をキネティックE.S.U.に. 蓄えて時計を動かすという、SEIKO独自の機構を持ったクオーツ時計です。

【動き】を電気に変換して蓄える方式ですので電池交換不要で、クオーツ時計の精度が出るというメリットがあります。 (キャパシタが経年劣化している場合は交換が必要です。)

長期間使用されずに完全に充電がなくなると、作動させるまでに時間がかかりますが、そこがまた良いというお客様が多い時計です。

時計の状態

今回はオーバーホールと裏蓋パッキンの交換に加えて、キャパシタが劣化の為、交換を実施致しました。

長年のご使用によりキャパシタ(二次電池/蓄電池)の蓄電能力が劣化している状態でした。

キネティックは、【時計の動き】を電気エネルギーとして充電し、駆動する仕組みとなっています。

今回の時計は、キネティックのオートリレーでした。

キネティック オートリレーは、一定時間、静止状態が続くと針の動きを止め、内部の回路で時間をカウントして、電力の消費を最小限に抑える機能です。
時計に一定の動きが加わると、現在の時刻に自動で復帰するという自動時刻復帰機能 があります。(カレンダーはご自身で合わせて頂く必要があります)

自動時刻復帰機能が効く期間は、蓄えられた電気エネルギーにより異なります。(電気エネルギーが無くなると、時計を振っても自動時刻復帰機能は効きません)

完全に充電がなくなると、作動開始までに時間がかかりますので、運動量が少ないお客様の場合は、1秒間に2往復するイメージで定期的に時計を振って充電されることをお勧めさせて頂きます。

SEIKO KINETIC

修理完了後、納品前のお写真です

この度は当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
また何かございましたら、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、キャパシタ

修理料金:2万円台前半(税抜)※修理当時の価格