修理事例のご紹介

ロレックス 3番車オーバーホールゼンマイフラッシュフィット内部ネジ裏蓋パッキン

ロレックス サブマリーナ のオーバーホールを実施しました。(滋賀県蒲生郡のお客様)

submariner

滋賀県蒲生郡のお客様より、時計修理の匠工房に、ロレックス サブマリーナ コンビ(Ref.16613)のご依頼がございました。

本体とベルト取付部分の金プレートの剥がれとのことです。

初回お申し込み時に、外装修理のみをご希望されておられるかと思いましたので、外装部分の修理のみをご希望の場合は、お近くの時計店様へのご相談をお勧めさせて頂きましたが、 オーバーホールもご希望とのことでした。
(誠に恐れ入りますが、当店では基本的に外装修理のみはお受けしておりません)

(※2021年現在は、フラッシュフィットの手配不可でございます。)

※到着時のお写真を使用しております

ロレックス サブマリーナについて

ロレックス サブマリーナは、ダイバーズウォッチの名作と言われており、安定の人気を誇るロングセラー機種です。

1953年頃にファーストモデルのRef.6204が発売され、翌年の1954年頃に発表されたRef.6205より、ベゼル部分に1分間隔の目盛りが 15分までプリントされ、現在(2020年)に至るまでそのデザインは引き継がれています。

Ref.6536より、片巻上げから両巻上げに進化し、針のデザインがメルセデス針(ベンツ針)となりました。その呼び名は、有名な自動車メーカーのメルセデスベンツの”スリーポインテッドスター”に似たデザインが時針に用いられているからと言われています。

その後、ドーム形の風防ガラスからフラット形に変化や、リューズがトリプロックリューズに進化など、実用性を高める為に様々な試行錯誤が繰り返され、現在のモデルに至ります。


時計の状態

お客様のロレックス サブマリーナは、Ref.16613のコンビのタイプでした。
サブマリーナ コンビは、ステンレス色のサブマリーナとは、また違った味わいがあります。

今回のサブマリーナは、12時方向のフラッシュフィットが欠品している状態でした。
ベゼルや文字板がキレイな状態ですので、フラッシュフィットが取れた状態のサブマリーナは、少し寂しくみえます。

フラッシュフィットが欠品している状態でしたので、オーバーホールに加えて、フラッシュフィットの取付(2020年時点/2021年現在は手配不可)をご提案させて頂きました。


ロレックス サブマリーナ(Ref.16613)は、防水機能を高めるトリプロック式のリューズが採用されており、リューズのクラウンマーク下には、トリプロックの証として3つのドットマークが刻まれています。

ロレックスの特許技術であるトリプロックリューズは、通常はリューズ側のみに備えるパッキンを、リューズがねじ込まれるチューブ(受側)にも備えることにより、ねじ込んだ際の防水機能を高めております。

当店には、ねじ込み式で防水性を高めた分、長年使用されておりますと、リューズのロックが浅くなり、引っかからないロック不良の状態になったロレックスも、多々送られて参ります。

リューズは、受け側のチューブとのネジ山がかみ合い、固定(ねじ込み)される仕組みとなっておりますが、力任せにグッと押し込み、無理やりねじ込みを繰り返しておりますと、ねじ山が潰れてしまいます。

リューズのねじ込み不良(飛び出た状態など)の場合は、ロレックス本来の密封性が失われてしまい、リューズ部分から湿気や水、ゴミ等が入り込みやすくなり、時計にとって良くない状態になりますのでご注意くださいませ。

修理完了後、納品前のお写真です

欠品していたフラッシュフィットがついたロレックス サブマリーナは、やはり存在感があります。

この度は当店をご利用頂きまして、誠にありがとうございました。


●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、ゼンマイ、3番車、内部ネジ(×2)、フラッシュフィット取付

修理料金:6万円台後半(税抜)※修理当時(2020年)の価格