修理事例のご紹介

ロレックス 3番車オーバーホールゼンマイチューブパッキン仕上げ(磨き)裏蓋パッキン

ロレックス デイトジャストのオーバーホールを実施しました。(兵庫県神戸市のお客様)

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兵庫県神戸市のお客様より、時計修理の匠工房に、ロレックス デイトジャスト ターノグラフ(Ref. 116264)のご依頼がございました。

持続時間が短い/定期メンテナンスとして、オーバーホールと外装仕上げを希望とのことでご相談を頂きました。

※到着時のお写真を使用しております

ロレックス デイトジャストについて

ロレックス デイトジャストと言えば、ロレックスを代表するモデルであり、世界的に高い所持率を誇る、ベストセラーの名作です。
日本のバブル期には、デイトジャストのイエローゴールドとステンレスのコンビが圧倒的な人気を博し、需要に供給が追いつかなくなったそうです。

名前の由来はロレックスが開発した画期的な機構、”デイトジャスト機構”です。
デイトジャスト機構とは、午前0時にパチッと日付が切り替わるというものです。
今では当たり前に思える技術ですが、当時はロレックスが先駆けて開発したオリジナル機構でした。

文字板も多彩なバリエーションがありますので、選ぶ楽しみも増える時計がロレックス デイトジャストです。


回転ベゼル付きのデイトジャストは、ターノグラフとして扱われており、昔と違い文字板にもターノグラフ(TURN-O-GRAPH)の記載が入ります。
アンティークの回転ベゼル付きのデイトジャストは、サンダーバードとも呼ばれています。


時計の状態

ムーブ内油劣化の為、オーバーホールと裏蓋パッキン、ゼンマイ、3番車とチューブパッキンを交換致しました。
その他、オプションで仕上げ(ケース・ブレス磨き)もご希望を頂きました。

ブレスの間や裏蓋の溝に、汚れが溜まった状態でしたが、丁寧にご使用されておられたようで、あまり目立つキズも見られませんでしたので、オーバーホールに含まれる洗浄サービスで十分では、と思いましたが、仕上げをされるとやはり違います。
小傷が取れて、より一層キレイになりました。

修理完了後、納品前のお写真です

今回のお客様のブレスは、目が細かい5連のタイプで、元々汚れ以外ではあまり目立つキズもございませんでしたので、少しわかりづらいかもしれませんが、仕上げ前/仕上げ後のお写真です。


●今回の修理内容

オーバーホール、裏蓋パッキン、ゼンマイ、仕上げ(ケース・ブレス磨き)、3番車、チューブパッキン

修理料金:5万円台半ば(税抜)※修理当時の価格



持続時間が短い症状は、内部の油劣化/油切れのケースが多いです。

ロレックスは元々、防水性に優れ高品質、丈夫な時計として有名です。

ご使用状況にもよりますが、
長年使用しており、オーバーホールはしたことがないです。
オーバーホールは10年ほど前です。譲り受けたので不明です。
と言われるお客様が非常に多いです。

オーバーホールをされなくても動いてしまう時点で、ロレックスの丈夫さがよくわかりますが、やはり内部では部品に負荷がかかっています。
油が回っている状態の歯車と、油がない状態の歯車の動きを想像して頂けるとわかりやすいかと思います。

いくら丈夫とはいえ、機械式時計はいくつもの小さな部品を組み上げて動いていますので、定期的なメンテナンスと、大事な時計は出来る限りデリケートに扱っていただくことをお勧めさせて頂いております。

購入当時は防水性に優れていても、年々使用されることにより、部品の摩耗は進みます。

パッキンの劣化やリューズのねじ込み不良/リューズの閉め忘れ、ガラスのヒビや、防水機能以上の水圧がかかる・・・などで湿気や水が浸入した場合は、出来る限り速やかにオーバーホールをお勧めさせて頂きます。

動かなくなった時には、内部にサビが回って修理不能な状態でした、というケースもございます。

いくら防水機能が高い時計でも、大事な時計は、手を洗う際は外す、なるべく雨に濡れないようにして濡れた場合はすぐに拭き取るなど、ほんの少しの心掛けで時計にとって致命傷となる湿気/水入りのリスクを減らすことができます。

近年、アンティークの時計が再注目されており、当店にもロレックスやセイコー、カルティエのアンティーク機種がよく届きます。

中にはケースや裏蓋が腐食しており、非防水の時計もございますが、定期的なメンテナンスと水回りを避けて、大事にご使用されておられるお客様が多いです。

新しい時計の格好良さとはまた違い、アンティークの年数を重ねてきた味わいの良さを楽しむ為にも、どうぞ水回りでもご使用にはご注意くださいませ。